研究課題
本研究課題では、血管内皮細胞(EC)のHIFシグナルがもたらす血管構築細胞の機能的・形態的変化についてその分子機構の解明を目指す。具体的には、独自開発のEC特異的HIF-1α/β遺伝子欠失およびHIF-1α/HIF-2α過剰発現マウスにおける肺高血圧症(PH)モデルを用いた血管再構築の形態学的・分子機能学的解析を進める。そのために、ECおよび血管平滑筋細胞(SMC)を可視化標識したレポーターマウスを確立して生体レベルでの細胞系譜別形態・機能の評価系を構築する。また、EC特異的HIF過剰発現マウスのPHモデルを用いて、病態モデルにおけるECのHIFシグナルネットワークの解析を通してECのHIFシグナルを介する血管再構築に必須な標的分子群を抽出してその詳細な分子機構を明らかにする。平成25年度は、引き続き前年度作製したTagを搭載したHIF過剰発現マウスの表現型解析を進めるとともに、病態モデルの血管再構築に関連するHIFシグナル標的分子群の同定を試みるために、マウス肺組織からECの単離作業を進めてきた。作製した遺伝子改変マウスの表現型について、虚血皮弁モデルを作製してECにおけるHIF-2aの役割について報告した(Morimoto et al., PRS-GO in press 2014)。現在単離したEC を用いた発現解析の予備実験を行っている。
3: やや遅れている
一昨年7月より、新しい職場での研究活動を行っているが、研究室の立ち上げに時間がかかり、実験動物の準備を含め、実験スケジュールをスムーズに進めることが出来なかった。
実験動物とモデル作製用機器も準備が進んでおり、本研究で作製した遺伝子改変動物を用いて、高速シーケンサーを利用してPHモデルにおける血管内皮細胞のHIFの標的遺伝子の発現とその意義について進めていく。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
Sci Rep
巻: 22 ページ: 3822
10.1038/srep03822.
PLoS One
巻: 9(4) ページ: e93856
10.1371/journal.pone.0093856
Cardiovasc Res
巻: in press ページ: in press
10.1093/cvr/cvu061
FASEB J
10.1096/fj.13-244079
Toxicol Appl Pharmacol
巻: 273(1) ページ: 90-99
10.1016/j.taap.2013.08.017
Nat Commun
巻: 4 ページ: 2112
10.1038/ncomms3112
Neurourol Urodyn
巻: 33(3) ページ: 350-357
10.1002/nau.22405
Cardiovasc Res.
巻: 99(4) ページ: 705-715
10.1093/cvr/cvt146
Am J Physiol Renal Physiol
巻: 304(7) ページ: F1028-1036
10.1152/ajprenal.00473.2012
Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol
巻: 386(1) ページ: 29-39
10.1007/s00210-012-0810-7