研究課題
基盤研究(C)
クロマチン再構成因子複合体はATP依存性にヌクレオソーム構造を変換し種々の転写因子が、DNAへ結合しやすくする、あるいは逆に結合しにくくすることで転写を制御し細胞周期に密接に関係している。クロマチン再構成因子複合体は10種類程度の因子より構成されているが、我々は国内外に先駆けてDNA結合機能を受け持つARID1A(synonyms: p270, p250, BAF250am hOSA1, SMARCF1, B250)を同定し神経芽細胞腫瘍ではC末端のグルココルチコイド制御部位を失った変異ARID1Aが悪性表現形質・細胞周期促進作用を担っていることを報告し、またこの変異ARID1Aによりligand依存性Notch system活性化が種々の悪性腫瘍(神経堤細胞由来のmalignant melanomaなど)で起っていることを報告してきた。本申請は変異型ARID1Aトランスジェニックマウスをモデル動物に用いて、変異型ARID1A発現により変化をうける遺伝子群(下流の遺伝子群)を網羅的に解析し、腫瘍と関係する遺伝子産物を検出し、それらとARID1A変異による発現機構との関連について検証・検討することを企図している。現在までに変異ARID1A導入マウスおよび、変異型ARID1A変化をうける遺伝子群(下流の遺伝子群)を導入したトランスジェニックマウスを16系統作出し、うち14系統についてF1マウスを得ることに成功した。非常に興味深い表現形質をみせる系統が複数あり、現在、解析を進めている。
2: おおむね順調に進展している
現在までに変異ARID1A導入マウスおよび、変異型ARID1A変化をうける遺伝子群(下流の遺伝子群)を導入したトランスジェニックマウスを16系統作出し、うち14系統についてF1マウスを得ることに成功しており、解析を進めており概ね計画を達成している。
引き続いて免疫組織学染色、Western-blotを用いて皮膚、皮膚付属器、乳腺と腫瘍との発現を検証していく。変異型ARID1Aが、候補遺伝子の発現にどう作用するのかを、in vitroで検討する。変異型ARID1Aマウスより発生した腫瘍の培養細胞株を樹立し、候補分子群が、変異型ARID1A発現抑性により直接的に変化を受けるのかを検討する。候補遺伝子群のプロモーター活性に変異型ARID1Aが変化をもたらすか検討する。
該当なし
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