クロマチン再構成因子ARID1Aの変異・機能異常が、もたらす腫瘍発生の分子メカニズムを検討することを目的とし、具体的にはARID1A変異により変化を受けるTMEM207分子発現トランスジェニックマウスに自然発症する皮膚癌を材料にARID1A変異で影響を受ける下流の遺伝子群を明らかにすることを目的とした。TMEM207を短縮型ITFプロモーター下に組み入れたコンストラクトを型通りC57BL/6マウス受精卵前核へDNAをマイクロインジェクションし計16系統のトランスジェニック系統を確立した。そのうち3系統の皮膚バルジ野でTMEM207を高発現する系統で、皮膚付属器腫瘍の自然発生を高率に認めた。
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