ミトコンドリアエネルギー代謝に必須の蛋白p32の分子機能を解明するため、p32コンディショナルノックアウトマウスの作製、解析を行った。脳特異的p32ノックアウトマウスを作製したところ生後8週齢で致死を示した。このマウスは神経細胞の軸索異常とオリゴデンドロサイトの分化異常を認めた。さらに、ミトコンドリアDNAがコードするタンパクの発現低下、酸化的リン酸化能の低下を認めた。ER ストレス応答の亢進、酸素消費量の低下を認めた。P32はミトコンドリア代謝に必須のタンパクであり、p32異常が白質脳症につながると考えられた。
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