研究課題/領域番号 |
24590395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 純真学園大学 |
研究代表者 |
福應 温 純真学園大学, 保健医療学部, 准教授 (80363365)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / フィンランド |
研究概要 |
1.ヒトホモログの探索:バイオインフォマティクス的手法によりショウジョウバエゲノムのスクリーニングで陽性となった約100の遺伝子に対するヒトホモログの探索を終了させ、本研究のターゲットになる遺伝子のリストを作成した。このリストに含まれる遺伝子はヒトのmtDNA維持機構に関わる新規因子の発見につながる貴重なリストであると期待できる。 2.ノックダウン細胞と過剰発現細胞の作成:本研究で利用を計画しているFlp-Inシステム導入細胞とベクター系を研究協力者である九州大学病院検査部で保有している事が分かり、それを利用する事にした。計画では複数の細胞系を用いる事にしていたが、計画を簡素化する為にFlp-Inシステム導入HeLa細胞を用いる事にした。現在、候補遺伝子のクローニングを順次進めている。平成24年度に細胞培養実験に必要な顕微鏡の購入を計画していたが、所属研究機関で所有する機器を利用できる事になり、購入を中止した。 3.mtDNA異常の検出:平成25年度から計画しているmtDNA異常検出の為に以下の通り準備をおこなった。①mtDNAのコピー数を定量的PCR法によって定量化する為の条件検討を行った。複数のコントロール遺伝子のプライマー設計を行い、いずれも良好な結果を得ている。②mtDNAの形態についてはサザンハイブリダイゼーションに必要な電気泳動槽、ハイブリオーブン等の必要な機器を購入した。また、non-RIプローブによるmtDNA検出の条件検討を行った。現在、いくつかの動物細胞からmtDNAを抽出し条件検討を行っている。③上記のHeLa細胞を用いてPicoGreenを用いたミトコンドリアヌクレオイドの形態観察の条件検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属する研究機関は平成23年4月に開校したばかりで、最低限の設備機器は揃っているとはいえ、研究支援の為の組織や制度などが十分に整っていないのが現状である。また、講義等の学生教育についても試行錯誤しながら進めており、当初予定していたエフォート50%が平成24年度は実現できなかった。その結果、予定していた90遺伝子のクローニングの進捗状況が遅れている。その為、研究協力者のJacobs教授(フィンランド)のグループで候補遺伝子の解析を分担する事などを話し合い、研究代表者の解析対象を絞り込む事にした。一方、「研究実績の概要」に示した通りmtDNAやヌクレオイドの異常を検出する為の準備は予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
「これまでの達成度」に記載したように候補遺伝子のクローニングが遅れている。その為に、予備実験にもとづく解析対象の優先順位を以下の条件で設定した。①ショウジョウバエモデルでミトコンドリアに局在する事が予備実験で示されたもの、②DNAやRNAと相互作用する可能性の高いもの。樹立された細胞株を用いて順次平成25年度以降に計画していた解析を行っていく事にする。また、計画では解析内容により複数の培養細胞株を利用する事を予定していたが、HeLa 細胞に統一して実験系を簡素化する事にした。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の当初研究計画では研究経費の多くを細胞培養と発現系構築およびmtDNAの解析に必要不可欠な消耗品費を中心に計上しており、「今後の研究の推進方策」とも矛盾しない。一方、解析対象を国際共同研究として分担していく事になった為、研究打ち合わせをより密にする必要が生じている。そのため海外旅費を支出する事を計画している。
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