研究課題/領域番号 |
24590395
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研究機関 | 純真学園大学 |
研究代表者 |
福應 温 純真学園大学, 保健医療学部, 准教授 (80363365)
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キーワード | ミトコンドリアDNA / ミトコンドリアヌクレオイド / MTERF / 呼吸鎖複合体V / DNA複製フォーク / 転写 |
研究概要 |
①MTERFファミリーであるmTTFがmtDNA維持に重要な役割を果たしていることを発表した。本研究の基礎となっているスクリーニング陽性遺伝子のなかで先行して解析を進めていたmTTFがmtDNA上で複製フォークと転写装置の衝突を回避させることによりmtDNA複製フォークの崩壊を押さえる役割をもつことを明らかにした。これらの成果を国内外で報告し、PLoS Genet.誌に発表した。(Joers P, Lewis SC, Fukuoh A, et al. PLoS Genet, 2013) ②スクリーニング陽性遺伝子として呼吸鎖複合体V(ATP 合成酵素)のいくつものサブユニットをコードする遺伝子が得られた事から、呼吸鎖複合体Vの機能とmtDNAおよびmtDNAヌクレオイド構造の安定性との関係を詳細に調べた結果、呼吸鎖複合体Vの機能低下を原因とする活性酸素種の産生あるいはミトコンドリア膜電位の低下がmtDNAやヌクレオイド構造の不安定化に関連することが明らかになった。その結果を現在Mol. Syst. Biol.誌に投稿中である。 ③その他の研究実績。平成25年度計画に基づき、絞り込んだ候補遺伝子産物についてmtDNA異常検出を開始している。その結果、いくつかの遺伝子産物の発現をRNAiによって抑制するとHeLa細胞のmtDNAのコピー数の減少とヌクレオイドの形態異常が検出されている。現在、計画を進めるとともにこれらの検証を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属する研究機関は平成26年度に完成年度を迎えたばかりの新設大学であり、講義等の学生教育についても試行錯誤しながら進めており、当初予定していたエフォート50%が平成25年度も達成できなかった。しかしながら、研究協力者の協力や必要な設備の購入等の研究環境の充実により、【研究実績の概要】の項に記載した通り、いくつかの成果をあげる事が出来ている。平成25年度は本研究課題が対象とする候補遺伝子を絞り込み、そのいくつかがHeLa細胞でミトコンドリアに局在する事を確認し、また、それらの発現抑制(RNAi)によりmtDNAのコピー数、ヌクレオイドの形態異常を検出している。
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今後の研究の推進方策 |
【これまでの達成度】の項にも記載したように平成25年度は候補遺伝子を絞り込み、解析を進めてきた。今後も絞り込んだ遺伝子産物の機能解析を中心に研究を進めていく事にしている。候補遺伝子の機能解析のうち、膜電位や酸素消費の解析については当初の予定通り、研究協力者である九州大学やタンペレ大学と連携を深めて遂行してゆく予定にしている。平成26年6月にはタンペレで開催されるミトコンドリア研究における権威のある国際会議(Euromit2014)にて研究成果の一部を報告するとともに、本研究課題の最終年度において共同研究グループとして研究成果をどのようにまとめていくかを議論することを予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に計画していた蛍光顕微鏡の購入の必要がなくなり、その代わりに新しい支出としてmtDNAの解析に必要な電気泳動層等の購入を行った。また、平成25年度に解析対象を国際共同研究として分担していく事になった為、支出内容が変更になった。また、平成25年9月にタンペレ大学において研究打ち合わせおよびデータの解析と検討とを行ったが、その際の渡航費用も支出した。次年度にはそれらの余剰分が繰り越されている。 平成26年度は解析手法はほぼ当初の計画書通り進めていく予定であるが、平成25年度以降は当初単独で行う予定であった網羅的解析計画を修正して国際的な研究協力体制の基に遂行してゆくした。そのため、研究交流をより緊密にする必要が生じている。平成26年度6月に予定しているEuromit2014(欧州ミトコンドリア研究会)での研究成果発表とは別に研究打ち合わせを行う必要が生じる可能性やタンペレ大学での解析を行う必要が生じる可能性などがあり、繰り越し分については追加の旅費として使用する事も考えている。
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