研究課題/領域番号 |
24590396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
後藤 英仁 愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 室長 (20393126)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Plk1 / 14-3-3ガンマ / 分裂期 / Akt |
研究概要 |
我々は、本年度、Plk1の結合蛋白質として、14-3-3ガンマを同定した。14-3-3ガンマをノックダウンすると、Plk1ノックダウンで認められるような分裂前中期から中期で停止する細胞が多く認められた。スピンドルチェックポイントに必要なBubR1やMad2と同時にノックダウンすると、この停止が解除されることから、14-3-3ガンマのノックダウンによって、(Plk1ノックダウンで認められるような)スピンドルチェックポイントが活性化していることが判明した。14-3-3ガンマのノックダウンによって、BubR1やWee1などのPlk1基質のリン酸化レベルが低下すること、免疫沈降産物をin vitroでアッセイしてもPlk1活性が低下していることから、14-3-3ガンマはPlk1と分裂期特異的に結合することでPlk1の活性を制御していることが判明した。また、Plk1は分裂期特異的なPlk1のセリン99のリン酸化修飾に依存して14-3-3ガンマと結合していること、このセリン99のリン酸化修飾はPI3キナーゼの下流に位置するAktの活性依存的に引き起こされていることを明らかにした。しかし、このリン酸化修飾が引き起こされるためには、Aktの活性だけでなく、分裂期特異的にPlk1に結合する未知のタンパク質が必要であった。今後、この結合タンパク質の同定を試みることで、新規のPlk1活性化機構の全貌を明らかにしていくとともに、がん化に関与する2つのシグナル伝達経路のクロストークを解明していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的であるAurora-A, Plk1の結合蛋白質の同定、解析のうち、Plk1の部分で大きな進展が得られた。今回、見つけた新規結合蛋白質は、分裂期で主に機能していたが、今後、分裂間期に機能する分子も得られてくると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
新たなAurora-A、Plk1の結合タンパク質の同定を引き続き行うとともに、分裂期特異的にPlk1に結合し、Plk1のセリン99のリン酸化修飾を促進するタンパク質の同定を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
タンパク質アレイの立ち上げに時間がかかり、解析が遅れたため、当初の使用予定額を下回った。タンパク質アレイの結果も最近出始めてきているので、他の結合タンパク質の解析にこの残った研究費を用いる。
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