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2014 年度 実績報告書

自己免疫疾患の発症要因としてのNKレセプターリガンド群の発現抑制機構

研究課題

研究課題/領域番号 24590398
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

成瀬 妙子  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, プロジェクト助教 (80422476)

研究分担者 木村 彰方  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60161551)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードゲノム多様性 / NKレセプター / リガンド / ULBP遺伝子 / 自己免疫疾患
研究実績の概要

本研究では、NK細胞レセプター(NKG2D)のリガンドであるULBP分子群に着目し、慢性炎症性疾患ないし自己免疫疾患を対象として、ULBP遺伝子群の多型と個々の疾患との関連を明らかにするとともに、ULBP遺伝子群多型とULBP遺伝子領域のDNAメチル化および個々のULBP遺伝子発現性との関係を明確にし、さらにそれらがNK細胞機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
今年度は、とくにULBP遺伝子群の重複および多型の意義を検討した。霊長類ULBP遺伝子群の進化学的検討は、ヒトにおけるULBP遺伝子群の構造と機能的意義に関する示唆を与えるが、昨年度までに旧世界ザル(アカゲザルおよびカニクイザル)のULBP2遺伝子群の多様性を決定したことに続き、今年度はこれまでに解析されていないULBP5遺伝子の多様性を解析した。ULBP5遺伝子もULBP2遺伝子と同様に2個(ULBP5.1およびULBP5.2)存在し、いずれも著明な多型性を示した。ULBP5.1アリルはアカゲザルで5種、カニクイザルで9種、ULBP5.2アリルはアカゲザルで6種、カニクイザルで12種検出された。また、ULBP5.1ではフレームシフトをもたらす遺伝子多型が存在した。これらのアリルは、2本のαヘリクスで構成される通常のULBP5分子とは異なり、αヘリクスが1つのみの細胞外ドメインで構成されるULBP5分子(切断型ULBP5分子)をコードすると考えられた。
さらに、旧世界ザルのULBP5遺伝子の多様性を進化学的に考察することを目的として、本研究で得られたアカゲザルおよびカニクイザルのULBP5.1配列およびULBP5.2配列を含めてULBP遺伝子群の系統樹を作成したところ、ULBP5.1はULBP5.2から分岐していることが判明した。また、ULBP5.1、ULBP5.2ともアカゲザルのアリルとカニクイザルのアリルが混在することより、これらの多様性はアカゲザルとカニクイザルが分岐するより以前に成立したものと考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] APOBEC3H polymorphisms associated with susceptibility to HIV-1 infection and AIDS progression in Japanese.2015

    • 著者名/発表者名
      Sakurai D, Iwatani Y, Ohtani H, Naruse TK, Terunuma H, Sugiura W, Kimura A.
    • 雑誌名

      Immunogenetics

      巻: 67 ページ: 253-257

    • DOI

      10.1007/s00251-015-0829-2

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of SIV Nef CD8(+) T cell epitopes restricted by a MHC class I haplotype associated with lower viral loads in a macaque AIDS model.2014

    • 著者名/発表者名
      Nomura T, Yamamoto H, Takahashi N, Naruse TK, Kimura A, Matano T.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 450 ページ: 942-947

    • DOI

      doi: 10.1016/j.bbrc.2014.06.072

    • 査読あり
  • [学会発表] 抗HIV 薬投与下の治療ワクチン接種により誘導されるCD8 陽性T 細胞のSIV 複製2014

    • 著者名/発表者名
      中村碧、高原悠佑、松岡佐織、三浦智行、小柳義夫、成瀬妙子、木村彰方、俣野哲朗
    • 学会等名
      第28回日本エイズ学会学術集会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪府・大阪市)
    • 年月日
      2014-12-05
  • [学会発表] 霊長類におけるULBP 5/ RAET1-G遺伝子群の進化2014

    • 著者名/発表者名
      成瀬妙子、飯塚淳次、明里宏文、俣野哲朗、木村彰方
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第59回大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都・江戸川区)
    • 年月日
      2014-11-20
  • [学会発表] 霊長類におけるULBP/RAET1遺伝子群の進化と特徴2014

    • 著者名/発表者名
      成瀬妙子、飯塚淳次、明里宏文、俣野哲朗、木村彰方
    • 学会等名
      23回日本組織適合性学会大会
    • 発表場所
      長崎大学医学部キャンパス(長崎県・長崎市)
    • 年月日
      2014-09-14

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公開日: 2016-06-01  

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