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2014 年度 実績報告書

人工制限酵素とウイルスベクターとを利用した高効率遺伝子修復治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24590405
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

三谷 幸之介  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10270901)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード遺伝子ターゲッティング / iPS細胞 / 遺伝子治療 / TALEN / アデノウイルスベクター / SCID-X1 / CRISPR / ゲノム編集
研究実績の概要

ヒトiPS細胞株TIG3/KOSMを用いて、IL2RG遺伝子座を標的として遺伝子ターゲッティング(GT)効率をさらに改善するための方法の検討を行った。今年度は、人工制限酵素の発現レベルを上げる目的で、IL2RGを標的としたCRISPRとIL2RGドナーDNAの両方をコードしたall-in-one ベクターであるHDAd-hIL2RG-CRISPRを新たに構築した。得られた結果(独立に3回に行った実験の平均)は以下の通りである。
1)5’と3’の相同領域をそれぞれ8.7 kbと11.1 kbカバーするGT用ドナーDNAをコードしたヘルパー依存型アデノウイルスベクターHDAd-hIL2RG-neoを感染させた際のGT頻度は、3.5 x 10-6(遺伝子導入細胞290,000個当り1個)であった。一方、IL2RGを標的としたCRISPR 発現プラスミド(pCRISPR-IL2RG)と5’と3’の相同領域をそれぞれ1 kbずつコードしたドナープラスミドDNAをトランスフェクションした際に得られるGT頻度は、1.4 x 10-4(遺伝子導入細胞7,100個当り1個)であった。
2)HDAd-hIL2RG-neoによるドナーDNAの導入とpCRISPR-IL2RGによる標的DNA切断の組み合わせによるGT頻度は、2.6 x 10-4(遺伝子導入細胞3,600個当り1個)と、1) のCRISPRのみの場合の頻度に比べてさらに上昇した。
3)all-in-oneベクターHDAd-hIL2RG-CRISPRの感染によるドナーDNAの導入と標的DNA切断によるGT頻度は、2)と同様に高く、2.7 x 10-4(遺伝子導入細胞3,700個当り1個)であった。
以上の結果から、HDAdVによるドナーDNAとCRISPRの発現(プラスミドもしくはHDAdVの形で)が、効率の高い遺伝子修復法の確立に向けて非常に有効であることが明らかとなった。ヒトiPS細胞へは通常のトランスフェクション法を用いても効率よくDNA導入が可能であるが、all-in-oneベクターにドナーDNAとCRISPRを搭載したことにより、DNA導入が困難な様々細胞・組織における高効率なin vitroならびにin vivoの遺伝子修復が可能になることが期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ウイルスベクターを駆使したヒトiPS細胞誘導と遺伝子修復の時間的効率化2015

    • 著者名/発表者名
      三谷幸之介,太田尚志,二橋望,大高真奈美,中西真人
    • 学会等名
      第14回日本再生医療学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2015-03-19

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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