研究課題/領域番号 |
24590407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中村 和裕 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10327835)
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研究分担者 |
田中 優子 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00533233)
中里 洋一 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10106908)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 脊髄小脳変性症 |
研究概要 |
脊髄小脳変性症のいくつかの型では、それぞれの型特異的な原因蛋白の配列内に伸長したポリグルタミン鎖が挿入されている。モデル動物を使った研究から脊髄小脳変性症の中では1型の病態について精力的に解析されており、伸長したポリグルタミン鎖が1型の原因蛋白アタキシン1の構造を変化させ、その結果、アタキシン1のポリグルタミン鎖以外の領域に結合する蛋白群の機能を変化させることが神経機能障害の原因であるという説が提唱されている。この場合、ポリグルタミン鎖の部分は間接的に神経機能障害に寄与しているということを意味する。本研究課題においては、それぞれの型の原因蛋白ではなく、ポリグルタミン鎖そのものによる脊髄小脳変性症の病態への直接的な寄与を調べることを目的とした。本年度は、原因蛋白の配列を持たない純粋なポリグルタミン鎖を小脳プルキンエ細胞特異的に発現するトランスジェニックマウスを作成した。プルキンエ細胞特異的なL7プロモーター支配下に69個のポリグルタミン鎖を発現させ、またP2Aを介して、69個のポリグルタミン鎖と同時にGFPも発現するようなトランスジーンのコンストラクトとした。得られたトランスジーンを持つ複数のマウスの中でプルキンエ細胞特異的にGFPを発現するマウスを2系統獲得した。それらのマウスでは生後2週間の段階でGFPを発現していた。脊髄小脳変性症3型原因遺伝子に69個のCAGリピートを持つトランスジーンをL7プロモーター支配下に発現するマウスがこのトランスジェニックマウスに対するコントロールとなる。来年度は両者トランスジェニックマウス小脳からRNAを抽出し、マイクロアレイ解析を行い、遺伝子発現パターンを比較する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、目的のトランスジェニックマウスの作成を完了させ、そのマウスでは予想通りの脳内発現パターンを示していたため。
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今後の研究の推進方策 |
脊髄小脳変性症3型原因遺伝子に69個のCAGリピートを持つトランスジーンをL7プロモーター支配下に発現するマウスが目的のトランスジェニックマウスに対するコントロールとなる。次年度は両者トランスジェニックマウス小脳からRNAを抽出し、マイクロアレイ解析を行い、遺伝子発現パターンを比較する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度はマイクロアレイ解析費用等、消耗品代金に研究費の大半を使用する予定である。
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