複数のポリグルタミン病に共通する伸長したポリグルタミン鎖そのものによる小脳変性への寄与を調べることを目的とした。69個のポリグルタミン鎖を小脳プルキンエ細胞、網膜特異的に発現するトランスジェニックマウス(polyQマウス)では生後2週の段階でポリグルタミン凝集体がプルキンエ細胞に見られ、生後3か月の段階でプルキンエ細胞および網膜神経細胞の広範な脱落がみられた。また、微小管を安定化する薬剤をpolyQマウスに投与することにより、小脳の一部でプルキンエ細胞死の割合が減少したことから、polyQマウスにおけるプルキンエ細胞死の機序の一部に微小管に対する作用が関与している可能性が示唆された。
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