研究課題/領域番号 |
24590409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
佐々木 素子 金沢大学, 医学系, 准教授 (70225895)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 病理学 / オートファジー / 細胞老化 / 生体分子 |
研究概要 |
本研究では、原発性胆汁性肝硬変(PBC) における胆管細胞のオートファジー異常の発生要因と役割を明らかにして、オートファジー異常の制御による新たなPBC 治療法の分子基盤の確立をめざしている。 本年度は、肝臓病肝組織を用い、免疫組織化学的手法で、PBCと対照肝の胆管細胞におけるオートファジー異常の発生状況を, オートファジーマーカーLC3, オートファジー異常マーカー p62/SQSTM(オートファジー不全状態で異常蓄積)を指標に検出した。また、オートファジー異常とミトコンドリア抗原発現の関連を検討した。培養胆管細胞に飢餓状態などの細胞ストレスを加えてオートファジーを誘導し、さらに各種薬剤によるオートファジー機構の阻害を試み、オートファジーとミトコンドリア抗原発現の関連を検討した。 その結果、PBCの胆管病変部胆管では、疾患特異的にLC3の小胞状発現、p62/SQSTM陽性沈着物を示すオートファジー異常が生じていることを明らかにした。また、PBCの胆管病変部胆管では、特異的に、ミトコンドリア抗原の顆粒状発現が見られた。2重免疫蛍光染色の結果では、ミトコンドリア抗原の顆粒状発現は、異常蓄積したオートファゴソーム内のミトコンドリアによることが示唆された。飢餓状態などの細胞ストレスによって培養胆管細胞にはオートファジーが誘導された。さらに、ライソゾーム阻害剤によるオートファジー機構の障害によってミトコンドリア抗原の顆粒状発現、胆管細胞表面のミトコンドリア蛋白の異常発現がみられた。 これは、PBCの胆管病変にはオートファジー異常が関与すること、オートファジー異常がミトコンドリア抗原の異常発現をおこし、ミトコンドリア抗原に対する免疫反応異常の要因になる可能性を世界で初めて明らかにするものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画通り、免疫組織化学的手法で、PBCの胆管病変部の胆管ではオートファジー異常が生じていることを明らかにした。また、当初の予定に先んじて、オートファジー異常に関連してミトコンドリア抗原発現異常が生じることを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
オートファジー異常によるミトコンドリア抗原発現異常の病態形成における役割を明らかにする。また、オートファジー異常の発生要因を解明する。これらの検討には、胆管細胞などの培養細胞を用いた実験も行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度も引続き、オートファジー異常とミトコンドリア抗原発現異常のPBC病態形成における意義につ いて、1)ヒト肝組織を用いた検討、2)培養細胞を用いた検討を行う。研究費は、物品費として、主に試薬や実験器具など消耗品の購入にあてる。
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