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2012 年度 実施状況報告書

加齢性EBV陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫のNFkBに着目した分子病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24590411
研究機関名古屋大学

研究代表者

浅野 直子  名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90467192)

研究分担者 佐藤 康晴  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (00579831)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード悪性リンパ腫 / EBV陽性
研究概要

加齢性EBV陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は免疫機能不全や先行リンパ腫のない中高齢者に発症するEBV陽性B細胞性腫瘍である。当疾患の病理形態学的特徴は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と類似した病変(Large lymphoma cell subtype:LC)から背景反応性細胞が豊富なホジキンリンパ腫に類似するもの(Polymorphous subtype: PL)まで非常に幅広い。本研究で以下のことが判明した。
1.上記の2つのsubtypeに加え新たな形態学的亜型が認められた。それはリンパ節外病変(特に鼻腔~口腔領域)に病変を認め、形態学的にはPlasmablastic lymphomaに類似するが、HIVの既往はない。明らかな免疫不全の既往はないが高齢者の発症である点が挙げられる。免疫組織学的には、CD20-CD38+EBER in situ+ を示すのに加え、全例でLMP1陰性を示す。これはPlasmablastic lymphoma of the elderly (PBLe)として報告した。(Liu F and Asano N, Histopathology 2012)
2.前述の3つの亜型(PL, LC., PBLe)に関して、腫瘍細胞のLMP1とNFκB経路の調節因子であるA20の発現に着目し臨床病理学的解析を行った。腫瘍細胞の少ないPL subtypeでは、腫瘍細胞はLMP1+A20+のdouble positiveを示すことが多く(21/34 62%)、一方、腫瘍細胞が豊富なPBLeではLMP1陰性であるのに加え、A20も陰性を示した。またLC subtypeのLMP1,A20陽性パターンは、PLとPBLeの中間を示した。現在これらの疾患に関してA20のFISH解析を進行中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の予定であった免疫組織学的検討についてはほぼ終了した。続いてA20のFISH解析に関しても施行開始している。本症例は比較的珍しい疾患であり、他施設との共同研究検体も含まれるため、様々なホルマリン固定状態の検体での解析が必要となる。検討遂行にあたっては、どのような標本においても一様にFISHの染色性が保たれるような条件設定が必要であるが、当該年度に既にそのプロトコールの作成は終了した。現在個々の症例において解析中である。

今後の研究の推進方策

① 加齢性EBV陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫におけるA20およびLMP1の発現に関する臨床病理学的特徴に関して、当該年度のデータをもとに、さらなる症例解析を加え、学会発表と論文化を施行する。
② ①の症例に関して、A20のFISH施行および解析を継続する。A20のタンパク発現のみならず、A20遺伝子の欠失の有無、そしてそれらの特徴と当疾患の形態学的バリエーションに関連性があるか否かを明らかにする予定である。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Plasmablastic lymphoma of the elderly: a clinicopathological comparison with age-related Epstein-Barr virus-associated B cell lymphoproliferative disorder2012

    • 著者名/発表者名
      Liu F, Asano N, Tatematsu A, Oyama T, Kitamura K, Suzuki K, Yamamoto K, Sakamoto N, Taniwaki M, Kinoshita T, Nakamura S.
    • 雑誌名

      Histopathology

      巻: 61 ページ: 1183-1197

    • DOI

      10.1111/j.1365-2559.2012.04339.x.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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