加齢性EBV陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、免疫機能不全や先行リンパ腫のない中高齢の患者に発生するEBV陽性B細胞腫瘍であり、WHO分類(2008)において、EBV-positive DLBCL of the elderlyとして分類されている。EBV+DLBCL of the elderlyは、しばしば節外臓器に病変を認め、壊死、反応性要素に富む病理像を示し、臨床的にはEBV陰性DLBCLに比べ予後不良を示す。病理形態学的にバリエーションを認め、形態学的細分類として、Large lymphoma cell typeおよびpolymorphous subtypeが従来から提唱されていた。この度、それに加え腫瘍細胞が形質芽細胞様の形態を有したPlasmablastic lymphoma in the eldely (PBL-e)を提唱した。このPBL-eは、皮膚・粘膜に病変の主座を認め、また形態学的にはPlasmablastic lymphomaに類似する。この疾患に関しては、Histopathology誌(2012 Dec;61(6):1183-97)に掲載した。A20およびLMP1の発現を検討した結果、PBL-eでは他のsubtypeよりLMP1-/ A20-を多く認めた。しかしこれらの症例において組織標本からのFISHを施行したところ、A20欠失所見の増加は認められていない。 今後多数例での検討が必要であると考える。またEBV-positive DLBCL of the elderlyで皮膚浸潤を認める症例、皮膚限局症例の蓄積および解析から、節外病変(特に皮膚)におけるEBV+DLBCL of the elderlyの新たな側面が明らかになりつつある。皮膚症例に関する報告は現在投稿中である。
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