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2013 年度 実施状況報告書

ピロリ菌感染胃炎の調節因子A20の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24590418
研究機関大分大学

研究代表者

内田 智久  大分大学, 医学部, 助教 (70381035)

キーワードヘリコバクターピロリ
研究概要

Helicobacter pylori (ピロリ菌)が惹起する炎症にNF-kBが重要な役割を果たすことは知られているが、NF-kBを調節する分子メカニズムについてはほとんど明らかにされていない。最近私は、TNF-a induced protein 3 (TNFAIP3/A20)がピロリ菌感染によって生じるNF-kBの活性化を負に制御することを見いだした。本研究で、胃炎の病態形成においてA20が果たす役割を明らかにすると共に、アジア各国の胃炎におけるA20の役割を明らかにする。昨年度に引き続きピロリ菌感染胃炎におけるA20の役割としてin vitro解析を行った。
i) 胃上皮細胞株として、AGS細胞、MKN45細胞を用いて各種ピロリ菌の感染実験を行い、A20のメッセンジャーRNA(mRNA)レベル及び蛋白質発現レベルの解析を行った。至適感染濃度として昨年度の実験結果からMOI=100とした。感染させるピロリ菌株として、TN2、51B、ベトナムで採取された臨床株3株を用いた。いずれのピロリ菌の感染実験においても、A20のmRNAレベルが上昇することが明らかとなった。
ii)蛋白質レベルでの解析
ウェスタンブロット法でA20の発現解析を上記i)の細胞を用いて行ったところ、蛋白質レベルでもA20がピロリ菌感染によって発現上昇することが明らかとなった。
iii)遺伝子欠損ピロリ菌作成と感染実験。
cagA欠損型ピロリ菌、cagE欠損型ピロリ菌、cagPAI欠損ピロリ菌を作製し感染実験を行い、野生型に比べてcagA欠損型で約50%、cagE欠損型及びcagPAi欠損型で約10%まで発現が低下することが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の予定では、本年度は臨床検体から分離されたピロリ菌の感染実験を行う予定であったが、遺伝子改変ピロリ菌の作製に成功すると共に、これらのピロリ菌を用いた感染実験を行い、mRNA及び蛋白質レベルでのA20の発現変動まで明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

これまでの研究で、A20の発現調節にはcagPAIが重要な働きをしていることが分かって来た。cagPAIは4型分泌機構の重要な構成要素であるため、4型分泌機構を介して細胞内に注入されるとされるペプチドグリカンについても解析を進めていく。

次年度の研究費の使用計画

当初予定よりも消耗品購入が少なく生じた。
本年度消耗品費と合算して使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Low incidence of gastric cancer in thai population is associated with antrum limited H. pylori gastritis2013

    • 著者名/発表者名
      Tomohisa Uchida
    • 学会等名
      XXVth International Workshop on Helicobacter and Related Bacteria in Chronic Digestive Inflammation and Gastric Cancer
    • 発表場所
      スペイン マドリッド
    • 年月日
      20130912-20130914

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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