気道上皮細胞に変異型KRAS遺伝子、EGFR遺伝子を導入すると、共通してサイトカイン、ケモカイン遺伝子の高発現が誘導される。IL-1βについて検討すると、肺がん細胞株と肺がん組織において高発現が認められ、遺伝子導入によって細胞増殖速度の上昇が起きた。肺腺がん組織では、高悪性度病変において高い発現が認められ、肺がんのプログレッション、がん細胞の悪性化に関与するものと考えられた。 特発性間質性肺炎に合併する肺がんは高齢者、男性、重喫煙者に好発していた。合併腺がんでは高円柱状細胞亜型が多く、EGFR変異の頻度は低かった。また全生存期間、無再発生存期間についてI期の腺がんでは予後不良であった。
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