研究課題
基盤研究(C)
この研究の目的は我が国における成人縦隔リンパ増殖性疾患の分子生物学的,臨床病理学的特徴を明らかにすることにある。本年度は腫瘍形成に関与する遺伝子異常として重要である遺伝子メチル化に着目して、胸腺MALTリンパ腫における遺伝子メチル化異常を検討した。メチル化特異的PCR法を用いて胸腺MALTリンパ腫におけるDAPK1、p16INK4A、p14ARF、CDH1、RARB、TIMP3、MGMT遺伝子の異常を検討したところ、このリンパ腫では正常リンパ節と比較して遺伝子メチル化が高頻度に起こっていることを明らかにした。臨床病理学的検討の結果、DAPK1、CDH1、TIMP3遺伝子メチル化は腫瘍発生に関与し、p14ARF遺伝子メチル化は腫瘍進展に関与している可能性を明らかにした。また現在行っている予備実験では、染色体レベルの異常が胸腺MALTリンパ腫において高頻度に起こっていることが示唆されたため、この知見について来年度はさらに詳細なデータを重ねる予定である。
2: おおむね順調に進展している
本年度は、成人縦隔リンパ増殖性疾患の中でも重要な疾患である胸腺MALTリンパ腫について、腫瘍発生および進展に遺伝子メチル化が重要であることを明らかにした。また来年度に向けて予備的検討を行っているが、胸腺MALTリンパ腫における染色体異常について重要な知見が得られつつある。
予備実験で得られた胸腺MALTリンパ腫における染色体レベル異常について更に詳細なデータを重ねるとともに、症例データベースの構築に向けて準備を行う予定である。
今年度と同様、症例の病理学的、分子生物学的検討のために研究費を使用する予定である。加えて、症例データベース構築の打ち合わせのために研究費が必要となると思われる。
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