研究課題
この研究の目的は我が国における成人縦隔リンパ増殖性疾患の分子生物学的,臨床病理学的特徴を明らかにすることにある。H25年度は原発性縦隔大細胞リンパ腫について症例を収集し、染色体レベルの異常を明らかにするために、各種のプローブを用いてFISH解析を行った。用いたプローブは、IGH遺伝子分離プローブ、BCL6遺伝子分離プローブ、MYC遺伝子分離プローブ、BCL2遺伝子融合プローブ、染色体3番セントロメアプローブ、染色体18番セントロメアプローブ、A20遺伝子欠失プローブなどである。それぞれのFISH解析で異常を有する症例を認めているが、検索できた症例数が少なく、現段階では明らかな結論を出すには至っていない。H25年度は次年度の発刊が予定されているWHO Classification of Tumours of Lung, Pleura, Thymus and Heart, 4th edition (IARC Press)において Extranodal marginal zone lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue (MALT)の項目を筆頭著者として執筆した。また同様に次年度の発刊が予定されている腫瘍病理鑑別診断アトラス 縦隔腫瘍・胸膜腫瘍(文光堂)において縦隔腫瘍・悪性リンパ腫を筆頭著者として執筆した。
3: やや遅れている
原発性縦隔大細胞リンパ腫について染色体レベルの異常を明らかにするために、各種のプローブを用いてFISH解析を行っているが、条件設定が困難な症例が多く、現在までに十分な数の症例解析に至っていない。。
FISH施行条件の見直しを行い、また作業手順の効率化を図る。同時に臨床データの収集を行い、研究全体の進行を迅速化する。
実験を行うにあたり、条件設定に専念したため、使用試薬量が少なく、次年度使用額が生じた。条件設定が終了すれば、実験が進み、使用試薬量が増える。次年度使用額はそれに念頭に助成金を使用し研究を進める予定である。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
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