アジアにおける成人縦隔発生リンパ増殖性疾患の特徴を分子病理学的に検討した。胸腺MALTリンパ腫では多くのがん抑制遺伝子にメチル化が認められた。特にp14ARFメチル化は腫瘍径と相関し、腫瘍進展との関連が示唆された。原発性縦隔大細胞性Bリンパ腫について欧米から異常が指摘されているCIITAおよびPDE5A遺伝子についてFISH法による検索を行った。しかし明らかな異常は認められず、欧米症例との差異が示唆された。この20年間の胸腺MALTリンパ腫研究の進歩を検討した。著名な血液病理医と議論を行い、その結果を第4版胸腺腫瘍WHO分類に筆頭著者として著した。
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