次年度の研究費の使用計画 |
我々のこれまでの研究でIPMNはgastric typeとintestinal typeに大きく2種類に分かれ,gastric typeからoncocytic typeやpancreatobiliary typeが発生すると考えている.しかしながら,gastric type IPMNとintestinal type IPMNがどのような関係にあるのかについては詳細な検討がなされていない.そこで,外科症例のうち一つの症例でgastric typeとintestinal typeが共存する症例を中心にこの両者の関係について詳細に検討する.これまで検討し,集積してきたIPMN症例を中心にgastric typeとintestinal typeが混在する症例を抽出する.そして,それぞれの症例での両者の移行部を選び,代表的な部位に関して組織ティッシュアレイ用の組織を作製する.両者の移行部が小さいような病変では,laser capture microdissectionを行う.上記の組織を用いて,粘液形質(MUC1, MUC2, MUC6, MUC5AC, CDXなど)をはじめとして,細胞マーカー,接着マーカー, さらにKRAS2, TP/p53, CDKN2A/p16, COX-2, SMAD4/DPC4などを中心に免疫組織化学的に検討を行う. また,膵癌症例に関して,その浸潤様式と既存組織の関わりについても同時進行の形で研究を進める予定である.
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