発癌機構における重要な経路として、慢性臓器炎からの発癌が注目されており、潰瘍性大腸炎からの発癌はその代表的な疾患である。この発癌経路における細胞接着因子のCD44分子の動態を検討するとともに、プロテオミクス解析により潰瘍性大腸炎の粘膜に特異的に発現が増加ないし減少しているタンパクを同定することを試みた。 潰瘍性大腸炎関連の腫瘍病変では、CD44の発現の減少がみられ、タンパク分解酵素Adam17の発現と関連していると考えられた。また、潰瘍性大腸炎の粘膜で特異的に発現減少しているタンパクとしてCarbonic anhydrase 2が同定された。
|