629症例の肺腺癌から101例(16.1%)のMPC腺癌が確認された。臨床病理学的検討では、non-MPC群に比べ、MPC群の脈管侵襲、リンパ節転移、術後病理病期、全生存期間と無再発生存期間が有意に悪く、MPC腺癌は独立した一つの高悪性度の臨床病理学的疾患単位であった。二次元電気泳動によるプロテオーム解析と免疫組織染色による半定量的検討では、non-MPC群よりMPC群におけるvimentinの発現が有意に高かった。また、MPC群のみにおいても、多変量解析でvimentinの高発現が予後不良因子であった。Vimentin高発現は、MPCのより低分化な性格ないし脱分化を反映している可能性がある。
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