研究概要 |
研究初年度(2012年)に濾胞性リンパ腫(Follicular lymphoma, FL)についてgene set enrichment analysisとfunctional association network analysisを行い、Tumor Associated Macrophages (TAMs)、特にM1TAMとM2TAMについて同定できたので、FLと診断されたおよそ80例のホルマリン固定パラフィン切片(formalin-fixed paraffin embedded section, FFPE)に対して、汎macrophageマーカーとしてCD68、M1TAMマーカーとしてCD16、M2TAMマーカーとしてMiTFとCD163のほか、Follicular helper T細胞(TFH)としてPD-1、regulatory T細胞(T reg)としてFOXP3を用いて免疫組織化学を行った。 その結果、CD68は2.29%±2.99%(平均±標準偏差)で、Grade 1-2(G1-2)FLで1.7%±1.5%、G3FLで4.9%±5.6%であり、G3FLで有意にCD68+TAM割合は多かった。MiTF+M2は全体で2.62%±3.1%、G1-2FLで1.8%±2.2%、G3FLで5.5%±4.2%でG3FLで有意に多かった (P<0.05)。CD163+M2は全体で3.2%±0.89%、G1-2FLとG3FLではほぼ同程度であった。CD16では分布が異なっていた。FLではG1-2に比べてG3ではTAMの割合が上昇し、M1、M2いずれも同様であった。TAMはFLのprogressionに関係する可能性があることがわかった。
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