胃低分化腺癌はスキルス胃癌の形態を呈し、増殖が速く予後不良である。胃癌の浸潤能と細胞形態に関して、上皮間葉移行に関わるmicro RNA(miR)-200cとその標的分子を検出して検討した。胃癌組織検体では、in-situ hybridizationにより、高分化腺癌ではmiR-200c発現が亢進する一方、低分化腺癌では発現低下し、その標的の変動も免疫組織化学により判明した。胃癌細胞株の検討では、形態が類円形の細胞ではmiR-200c発現亢進し、紡錘形細胞では低下する傾向が確認され、qPCR法により標的の変動も確認された。胃癌の分化低下・浸潤・形態変化にmiR-200cの関与が示唆された。
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