研究概要 |
本研究は、最終的に乳癌の発生進展過程の解明および治療の適正化に貢献することを目標としている。平成25年度は、遺伝子変異多様性のある症例の抽出を目的として以下の検討を行った。 材料:ヒト乳がん組織のホルマリン固定、パラフィン包埋切片。対象:2010~2012年に当院において手術を施行された症例。 方法:①免疫染色によりHER2 2+ あるいは3+と評価された症例について、HER2 dual ISH DNA assayを用い、以下の点について解析した。②HER2 polysomyの定義は、CEP17シグナル数の平均が3以上(Hanna WM, et al. Mod Pathol 27; 4-18, 2014)とした。③HER2 genetic heterogeneityの定義は、HER2/CEP17>2.2の細胞が、>5%, <50%みられる症例 (Hanna WM, et al. Mod Pathol 27; 4-18, 2014)とした。 結果:①CEP17 polysomyは14.7%に、genetic heterogeneityは17.6%に指摘された.②Polysomyが指摘された症例とgenetic heterogeneityが指摘された症例に重複はみられなかった。③genetic heterogeneityはHER2遺伝子増幅のない症例にやや多い傾向がみられたが、統計学的有意差は認められなかった。
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