研究課題
本研究は、最終的に乳癌の発生進展過程の解明および治療の適正化に貢献することを目標としている。平成26年度は、遺伝子変異多様性の可視化のために、以下の基礎的検討を行った。目的:同一細胞における蛋白と遺伝子を同時に可視化するためのプロトコールを確立する。材料:ヒト乳がん培養細胞株(SK-BR3)を用いたセルブロックのパラフィン包埋切片を用いた。方法:①蛋白の検出には抗HER2抗体を用いた免疫染色を、遺伝子の検出にはHER2 gene probe, CEP17 probeを用いたin situ hybridization法を行った。標識物質は、IHC法にはAlexa Fluor 555を、ISH法にはTexas red (HER2)およびFITC (CEN-17)の蛍光色素を用いた。②IHC法のみ、IHC法後ISH法、ISH法のみの検討を行い、IHC法後ISH法のシグナルの適正性を確認した。③IHC法については、ポリマー標識法とLSAB法とを比較検討した。④ISH法の前処置として酵素処理の必要性の有無について比較検討した。結果:①蛍光標識によるIHC法後ISH法により、蛋白と遺伝子の同時検出は可能であった。②IHC法については、ポリマー標識法のほうがLSAB法よりも良好なシグナルが得られた。③ISH法の前処置として酵素処理は不要であり、この過程を省略することにより良好なシグラルが得られた。考察:同一細胞における蛋白と遺伝子を同時に可視化するためのプロトコールが確立されたことで、腫瘍内多様性をより正確かつ詳細に理解することが可能となった。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 1件)
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巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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