研究成果の概要 |
本研究において、肺がん、大腸がん、腎がん細胞株から造腫瘍能の高いがん幹細胞を分離した。がん幹細胞のトランスクリプトーム解析を行った結果、がん幹細胞には多くのがん精巣抗原分子が発現することを見出した。それらはOR7C1, DNAJB8, SMCP 等である。また、OR7C1およびDNAJB8にコードされるHLA-A24拘束性抗原ペプチドを同定した。同抗原ペプチド特異的細胞傷害性T細胞(CTL)は、がん幹細胞分画を有意に傷害できることを見出した。これらの結果は、治療抵抗性がん幹細胞に対して、がん幹細胞に発現するがん精巣抗原標的免疫療法を施すことにより治療可能となる可能性を示唆するものである。
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