研究課題/領域番号 |
24590450
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
藤井 澄 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (60284189)
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研究分担者 |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
千原 良友 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40405395)
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キーワード | ヒストン・リジン修飾 / カルボキシメチル化 / エピジェネティクス |
研究概要 |
昨年度から取り組んでいる、網羅的H4ヒストン・カルボキシメチル化プロファイル検索は予算的に1対の検体について施行するのが限界であり、昨年度検討を行ったT24ヒト膀胱癌細胞株について、グリオキサール処理によりH4ヒストン・カルボキシメチル化を誘導し、抗H4ヒストン・カルボキシメチル抗体を用いたクロマチン免疫沈降法により得られたDNA断片をシーケンシングにより同定した。この結果、得られた遺伝子についてH4ヒストン・カルボキシメチル化による発現低下をRT-PCRで確認した。次に、H4ヒストン・カルボキシメチル化を誘導した細胞に対し、AZA、メトホルミン、ないし両者の併用による発現の変化を検討したところ、多くの遺伝子で相加的・相乗的な発現誘導が認められた。このとき、H3ヒストン・K9やK27のトリメチル化も検討したが、一定の結果は見られなかった。さらに、H4ヒストン・K9のカルボキシメチル化、アセチル化を処理ごとに量的に比較したが、単純なキネティクスにはなっておらず、そのほかのリジン残基修飾、遷移状態の存在などの可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験計画からの遅れのほとんどは、網羅的解析実験の費用の増大によっており、申請時予算を計画した際に比較し、割高になっている消耗品が多く、実行の妨げとなっている。それでも本年度は、最も中心的な網羅的解析であるヒストン・カルボキシメチル化遺伝子のプロファイリングをほぼ終えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24-25年度の中心的課題をほぼ達成できたので、平成26-27年度では、当初の予定通り、ヒストン・カルボキシメチル化遺伝子のプロファイリングからの糖尿病関連遺伝子の抽出と、ヒストン・カルボキシメチル化の予防・改善の方法の検討を中心的に行ってゆく。
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次年度の研究費の使用計画 |
受託による抗体作成が、抗原調整の技術的問題から予定より長くかかり年度内に納品されなかったため、次年度に使用額となってしまった。 納品後、速やかに執行する予定である。
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