薬物代謝酵素(DME)の発現変動におけるDNAメチル化の役割を網羅解析により探索した。その結果、DNAメチル化と発現量が関係するDME遺伝子が、正常肝組織において7種、肝癌細胞において5種、同定された。またUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1Aアイソザイムの組織特異的・年齢依存的なスプライシングがDNAメチル化と関係することも明らかになった。一部のDMEでは、DNAメチル化模様の特徴から癌抑制またはハウスキーピング遺伝子と同様の役割が推測された。網羅解析に基づくDNAメチル化模様の詳細な解析により、DME遺伝子の発現制御に関わるDNAメチル化の多様な役割を明らかにすることができた。
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