研究課題/領域番号 |
24590453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
山田 正俊 東京医科大学, 医学部, 助教 (50449120)
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研究分担者 |
倉田 厚 東京医科大学, 医学部, 講師 (10302689)
黒田 雅彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (80251304)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国内研究 |
研究概要 |
①子宮頸部病変におけるhWAPLタンパクの発現解析 子宮頸部病変(正常、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成、上皮内癌、および浸潤性扁平上皮癌の各30症例)に対し、組織切片上にて抗hWAPL抗体による免疫組織染色を行った。結果、病変の進行度合いが増すにつれ(正常→異形成→癌)、重層扁平上皮内におけるhWAPL陽性細胞の占める割合が増加した。この結果は、p16やKi-67の発現状況と概ね一致するものであるが、さらにhWAPLはp16やKi-67に比べると軽度異形成の段階から発現がやや高く、すなわち子宮頸部病変形成初期から関与している可能性が示唆された。また、同じ組織標本を用いて高リスクHPVに対するIn situ hybridization法を、また同組織標本よりDNAを抽出してPCR法による高リスクHPVの検出を行う予定である。現在、正常および子宮頸部病変を有する患者からの細胞診検体を収集中であり、同標本においても抗hWAPL抗体を使用した免疫組織染色を実施する予定である。 ②hWAPLの発現を制御するmicroRNAの同定 hWAPLの制御による子宮頸癌の治療を前提とし、hWAPLを標的とするmicroRNAの探索を行った。まずTargetScanにより、hWAPL mRNAの3'-UTRに結合しうるmicroRNAを抽出し、それを元にmiRプレートを作製した。このmiRプレート上で培養した子宮頸癌細胞におけるhWAPL mRNAの解析から、15種のmicroRNAがhWAPLの制御に関与する可能性がでてきた。 引き続き、これら15種のmicroRNAによる個別のトランスフェクションにより、hWAPL mRNAの変動に関する再現性を確認してゆく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
組織標本上でのhWAPLの免疫組織染色は既に完了しており、HPVの検索および細胞診検体上での免疫組織染色も今年度中には終了する見込みである。 microRNAに関する研究に関しても概ね順調なペースで経過している。
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今後の研究の推進方策 |
免疫組織染色によるタンパクの発現解析については今年度中に終了させ、この段階での論文発表を行う予定である。 その後、microRNAを中心とした遺伝子解析へと移行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に発生した次年度使用額と合わせ、今年度初頭に卓上のサーマルサイクラー(約50万円)を購入し、今後の研究の中心となる遺伝子実験の効率化を図る。 また、培養細胞におけるタンパク解析に当たり、頻回にわたるウエスタンブロット法の実行が見込まれるため、その消耗品を中心に研究費を使用する予定である。
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