研究課題/領域番号 |
24590457
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
岩屋 啓一 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 准教授 (50312012)
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研究分担者 |
小田 美規 東京医科大学, 医学部, 助教 (50527942)
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キーワード | 脂質 / 可視化 / 構造解析 / レスベラトロール / 脂肪肝 |
研究概要 |
組織に対してレーザーの当てる範囲やスキャンの面積を調整して脂肪肝の明瞭な質量分析イメージ(MSI)を得た。個々の脂肪滴の分布が明確になり、MSIの精度が向上した。得られたイメージは、中性脂肪(TG)自体のシグナルである。スポット強度は定量性に優れ、high fat群の脂肪肝では、強度および数も最も高い値を示した。レスベラトロールを投与した肝臟では、スポットの強度および数ともに著明な改善がみられた。なお、陰性コントロールの肝臟では、H & E標本ではほとんどTGの蓄積は指摘しえなかったが、MSIでは、弱いながらシグナルが得られた。感度および定量性の点においては、得られたMSIはH & E標本より優れた画像であると考えられた。また、脂肪滴の分布様式についてもMSIとH & E標本はよく一致した。 この現象をさらに検討するために、adipophilinの組織内局在を検討した。すると、adipophilinはhigh fat群にみられた大きなfat dropletに一致してみられた。これに対してレスベラトロールを投与群にて形成された小さなfat dropletには局在がなく、adipophilinが肝臓内にTGを蓄積する現象に係わり、レスベラトロールの投与により、down regulateされることが示された。TGの構造解析から、脂肪滴内に蓄積されるTGはレスベラトロール投与の有無に係わらず、同一であった。従って、脂肪滴を構成する膜の構成物質が、TGの蓄積および消費に関係し、レスベラトロール投与によって作用する対象と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
精密なMSIの情報を得るには、少なくとも半日、長くて丸2日の作業日程が必要である。今回、我々は適当な大きさの標本について検討し、時間の節約を考えた。条件決めについては、ほぼ検討が終了し、乳癌組織を用いた検討を開始している。乳癌組織の収集は十分であるため、予めPIP3が強発現していることが予想される症例を対象に検討を進める。
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今後の研究の推進方策 |
MSIにおけるPIP3のシグナルについては、確認中である。PIP3のMSIに関する報告が他施設よりなされており、その条件も参考にして確実で精密なイメージを描出する予定である。得られたイメージとH & E標本と対比して検討する。 なお、夾雑物や組織の保存状態からPIP3のシグナルの検出が難しい場合には、磁気担体を用いてシグナル強度を高める方法を試してみる。PIP3のシグナルの検出が極めて難航する場合には、他の機能性脂質についてもターゲットとなるか、同時進行して検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
計画にかかる消耗品費を節約し、本年度後期に予定される役務費として充足するため。 人件費を中心に後期に使用する予定である。
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