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2013 年度 実施状況報告書

MID1遺伝子を標的とした去勢抵抗性前立腺癌治療法確立のための機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24590463
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

高橋 智  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60254281)

研究分担者 鈴木 周五  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60363933)
佐藤 慎哉  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30464564)
キーワード前立腺癌 / MID1/TRIM18 / アンドロゲン受容体 / コアクチベーター / alphaB-crystallin
研究概要

LNCaP細胞において、MID1/TRIM18がAR転写活性を制御している事を明らかにしたが、その際に他の転写因子との相互作用の有無について検討した。過去の報告では、MID1/TRIM18と同じTRIMファミリー分子であるTRIM24, TRIM68はARコアクチベーターとしての機能が明らかにされており、アセチルトランスフェラーゼ活性を有するTIP60, p300と結合することでAR転写活性を制御していることが知られている。そこでTIP60, p300の発現ベクターを構築し、MID1/TRIM18発現ベクター, PSAプロモーターレポーターと同時にLNCaP細胞にトランスフェクションし、レポーターアッセイにより解析した。その結果、MID1/TRIM18によるTIP60, p300転写活性増強効果は認められず、MID1/TRIM18のARコアクチベーターとしての機能は転写因子との相互作用によるものではない可能性が示唆された。そこで、別のメカニズムを想定し、MID1/TRIM18と同様にLNCaP細胞に比較してLNCaP-AI細胞で高発現(11倍)しているalphaB-crystallin (CRYAB, HspB5)に着目した。その理由として、ARタンパクが核内移行する際に重要な役割を演ずる熱ショックタンパクの1つとしてHsp27 (HspB1)が知られているが、CRYABはHsp27に類似した構造を有する熱ショックタンパクであることが挙げられる。MID1/TRIM18, CRYABを高発現しているLNCaP-AI5, -AI8細胞にsiRNAをトランスフェクションすることによりMID1をknockdownすると、それに連動してCRYABの発現も低下することが確認された。しかしながら、これらの細胞においてCRYAB発現はDHTの存在下、非存在下に関わらず顕著な変動はみられず、蛍光免疫染色においてもDHT添加によるCRYABタンパクの核内移行は観察されなかった。また、MID1/TRIM18とCRYABの二重蛍光免疫染色では両者の会合・結合を示唆する像はみられなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初想定していたような実験結果が得られなかったために、予定より研究の進行に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

二重蛍光免疫染色にてMID1/TRIM18とCRYABの会合・結合およびCRYABの核内移行の可能性は低いと考えられるが、これらの点について免疫沈降法あるいは細胞質・核分画タンパクを用いて確認すると同時に、MID1/TRIM18の発現を変動させることによるCRYABタンパクのリン酸化の有無について検討する。また、siRNAによりMID1/TRIM18発現をknockdownさせることでCRYABタンパク発現が減少することから、CRYABはMID1/TRIM18の下流に存在することが示唆される。これらの事実からCRYABもMID1/TRIM18と同様にそのタンパク発現が亢進することにより前立腺癌細胞の増殖、浸潤能、AR転写活性が増強されるかどうか検討する。

次年度の研究費の使用計画

研究の進行に遅れが生じているために予定使用額を使い切れなかった。
前年度に解析できなかったMID1/TRIM18とCRYABとの相互作用および前立腺癌細胞におけるCRYABの機能について解析する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)

  • [雑誌論文] GPX2 overexpression is involved in cell proliferation and prognosis of castration resistant prostate cancer.2014

    • 著者名/発表者名
      Naiki, T., Naiki-Ito, A., Asamoto, M., Kawai, N., Tozawa, K., Etani, T., Sato, S., Suzuki, S., Shirai, T., Kohri, K., Takahashi, S.
    • 雑誌名

      Carcinogenesis

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1093/carcin/bgu048

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Establishment of an invasive prostate cancer model in transgenic rats by intermittent testosterone administration.2014

    • 著者名/発表者名
      Sato, S., Suzuki, S., Naiki-Ito, A., Komiya, M., Long, N., Kato, H., Sagawa, H., Yamashita, Y., Shirai, T., Takahashi, S.
    • 雑誌名

      J Toxicol Pathol

      巻: 27 ページ: 43-49

    • DOI

      10.1293/tox.27.2013-0052

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Apocynin, an NADPH oxidase inhibitor, suppresses rat prostate carcinogenesis.2013

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, S., Shiraga, K., Sato, S., Punfa, W., Naiki-Ito, A., Yamashita, Y., Shirai, T., Takahashi, S.
    • 雑誌名

      Cancer Sci

      巻: 104 ページ: 1711-1717

    • DOI

      10.1111/cas.12292

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Apocynin, an NADPH oxidase inhibitor, suppresses progression of prostate cancer via Rac1 dephosphorylation.2013

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, S., Pitchakarn, P., Sato, S., Shirai, T., Takahashi, S.
    • 雑誌名

      Exp Toxicol Pathol

      巻: 65 ページ: 1035-1041

    • DOI

      10.1016/j.etp.2013.03.002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ellagic acid inhibits migration and invasion by prostate cancer cell lines.2013

    • 著者名/発表者名
      Pitchakarn, P., Chewonarin, T., Ogawa, K., Suzuki, S., Asamoto, M., Takahashi, S., Shirai, T., Limtrakul, P.
    • 雑誌名

      Asian Pac J Cancer Prev

      巻: 14 ページ: 2859-2863

    • DOI

      10.7314/APJCP.2013.14.5.2859

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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