研究課題/領域番号 |
24590465
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
土井 佳子 福岡大学, 医学部, 講師 (10341538)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ZFAT / T細胞 |
研究概要 |
免疫疾患関連転写因子ZFAT(zinc-finger gene in AITD susceptibility region / zinc-finger with AT-hook)の免疫担当細胞における機能的役割の解明とその機能発現のための分子機序の解明を目指して、T細胞特異的にZFATを欠失したコンディショナルZFAT欠損マウスの末梢ナイーブT細胞を中心にZFATの機能解析を進め、以下のような研究成果を得た。 末梢ナイーブT細胞のFACS解析等による表現型解析によって、コンディショナルZFAT欠損マウスの末梢T細胞数の減少における、ナイーブCD4陽性T細胞とメモリーCD4陽性T細胞の比率について検討した結果、コンディショナルZFAT欠損マウスのナイーブCD4陽性T細胞とメモリーCD4陽性T細胞はコントロールマウスと同様の割合を示した。ZFATが欠失した末梢CD4陽性T細胞数の減少はナイーブCD4陽性T細胞とメモリーCD4陽性T細胞に特異性はなく、いずれのCD4陽性T細胞も減少していることが明らかとなった。さらに、ZFAT欠失による末梢CD4陽性T細胞の網羅的発現プロファイル取得のため、発現アレイ解析を行った結果、免疫関連分子を含む発現変動遺伝子群が得られ、末梢T細胞におけるZFATの分子機序解明のための基礎的情報を取得した。また、ZFATを欠失したナイーブCD4陽性T細胞のin vitro TCR刺激時では細胞増殖阻害およびアポトーシス細胞の増加が示され、TCR刺激による正常なT細胞の増殖が抑制されることが明らかとなり、さらに詳細な解析が期待された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ZFATが末梢T細胞に必須の遺伝子であることを明らかにし、末梢T細胞数の減少等における更なるZFATの分子機序の解明に向けて研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ZFATの生物学的機能ネットワークの解明を目指して、T細胞特異的コンディショナルZFAT欠損マウスの末梢T細胞のマウスの表現型解析を引き続き進めながら、ZFATを欠失させたときの、一次リンパ組織である胸腺T細胞を中心に、ZFATの機能解析とさらなる分子機序の解明を試み、研究を遂行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物実験、分子生物学的実験、細胞培養に必要な試薬とプラスチック器具などの消耗品費が主な必要経費として計画している。その他として、学会発表等の国内旅費と論文投稿・掲載料を計上している。研究設備は充実しているので、備品の購入は予定しておらず、また、研究補助等の人員に対する謝金も予定していない。
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