生体異物相互作用の場としても知られるいわゆるニッチを介した造血幹・前駆細胞の維持機構として、発達・成長途中で造血幹・前駆細胞の静止期分画が確立し、その後老年期に至る長期間その大きさが一定に維持される機構の存在を発見した。この機構の解析を目的として、1)これまで造血幹・前駆細胞の維持に関わることを示してきた種々の遺伝子改変動物による解析、2)電離放射線を含む生体異物の曝露による酸化的障害誘発条件下での造血幹・前駆細胞やその支持組織に対する細胞・分子生物学的解析、3)これらへの加齢影響、について検討し、造血幹・前駆細胞の分化段階に応じて機能的に異なる制御/防御システムの存在が示唆される結果を得た。
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