研究課題
コネキシン32(Cx32)のゴルジ体内貯留によるATF6α活性化に伴う下流遺伝子の発現解析: 培養液からdoxycycline(Dox)を除くことで外来性のCx32を過剰発現させることのできるHuH7 Tet-off Cx32細胞を用いて、Cx32のゴルジ体内貯留を誘導しATF6αを活性化させた際に、転写因子ATF6αにより転写される下流遺伝子の発現量の変化を定量的RT-PCRで調べた。GRP78やCalnexinといった小胞体ストレスを解除する適応応答関連タンパクのmRNAが著明に増加したのに対し、GADD153などの小胞体ストレス時にアポトーシスを誘導する破壊的応答関連タンパクのmRNAは変化がなかった。また、これらのmRNAの発現変化はATF6αに対するsiRNAを導入すると認められなくなったことから、ATF6αの活性化は適応応答を惹起することが明らかとなった。Cx32とATF6αとの複合体形成の検討: Cx32とATF6αがゴルジ体で複合体を形成していることを確認するために、Cx32の過剰発現時に抗Cx32抗体を用いて免疫沈降を行い、ATF6αの共沈を検討したが、Cx32とATF6αの直接的な複合体形成は確認できなかった。活性化型ATF6α過剰発現細胞の作製と癌幹細胞(CSC)数の変化および造腫瘍能の検討: HuH7細胞に、活性化型ATF6αのcDNAをレトロウイルスベクターを用いて導入し、活性化型ATF6α過剰発現株を作製した。これらの細胞におけるCSCの増減を、FACSでside population(SP)画分を解析したところ、ATF6α過剰発現株ではSPが増加していた。したがって、ATF6αはCSCの自己複製を亢進することが分かった。また、SCIDマウス皮下への異種移植により造腫瘍能を検討したところ、ATF6α過剰発現株はより高い造腫瘍能を示した。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うちオープンアクセス 6件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (16件) 備考 (1件)
耳鼻咽喉科ニューロサイエンス
巻: 29 ページ: 印刷中
J. Assist. Reprod. Genet.
巻: 32 ページ: 印刷中
10.1007/s10815-015-0479-1
Surg. Case Rep.
巻: 1 ページ: 11
10.1186/s40792-014-0008-y
Intern. Med.
巻: 54 ページ: 785-790
10.2169/internalmedicine.54.3772
Brain Tumor Pathol.
巻: 32 ページ: 12-19
10.1007/s10014-014-0188-y
秋田医学
巻: 41 ページ: 63-69
Cell Rep.
巻: 7 ページ: 539-551
10.1016/j.celrep.2014.03.015
http://www.med.akita-u.ac.jp/~byouri1/