研究課題
基盤研究(C)
平成24年度前半は所属研究室が変更になったことに伴ってマウスの移動を行い、その後、すでに樹立しているRev7ヘテロノックアウト(KO)マウスと本研究のために作成したRev7トランスジェニック(TG)マウスを交配させ、Rev7KOマウスの表現型をRev7トランスジーンによりレスキューしたRev7KO/Rev7TGマウスの樹立を目指した。Rev7KOマウスは現在胎生致死のため個体を得ることができない。Rev7トランスジーンにてレスキューすることにより、生後のRev7の機能解析に用いることができる。Rev7TGマウスは合計4系統樹立したが、そのうちの1系統は子供を産まず、系統を維持できなかった。残りの3系統を用いてRev7KO/Rev7TGマウスを樹立することとし、Rev7ヘテロKOマウスとの交配を行った。現在までに、残りの3系統はいずれもRev7ヘテロKO/Rev7TGマウスまでは生まれている。そのうち1系統ではRev7ヘテロKO/Rev7TGマウスとRev7ヘテロKOマウスとの交配により、2腹分の子供が生まれたが、Rev7KO/Rev7TGマウスは得られていない。その理由として、1)Rev7野生型遺伝子座と同じ染色体上にRev7トランスジーンが組み込まれている、2)Rev7トランスジーンの発現がRev7ノックアウトの胎生致死をレスキュー出来なかった、等が考えられた。現在、残りの2系統も含めてさらに交配を続け、Rev7KO/Rev7TGマウスの樹立を行っている。
3: やや遅れている
平成24年度初めに所属研究室が変更になったため、マウスの移動を行った。この際、新施設への移動のために、それまで飼育していた実験動物は一時的にすべて処分となり、現在所属の北里大学にて新たに動物実験を始めた。そのために実験再開までに約6ヶ月を要することになり、マウスの交配と解析がやや遅れている状態である。
マウスの交配によりRev7KO/Rev7TGマウスを樹立し、生殖細胞の生存、分化の状態を解析する。さらにタモキシフェン誘導性Creリコンビナーゼを発現するTGマウスと交配することにより、タモキシフェン誘導性にRev7トランスジーンを欠失させることができるコンディショナルKOマウスの樹立を行う。そして、出生後4週齢よりタモキシフェンを投与しRev7トランスジーンを欠失させてRev7をノックアウトし、一定時間後の精巣の生殖細胞の生存、分化の状態を解析する。また、Rev7が精巣にてどのようなメカニズムで機能しているかを解明するために、Rev7TGマウスを用いて精巣におけるRev7結合蛋白を同定する。3系統のRev7TGマウスのトランスジーンの発現分布を解析し、精巣にてFLAG-Rev7トランスジーンが高発現している系統を用いて、精巣から蛋白抽出液を作成する。FLAG抗体をもちいたRev7蛋白の免疫沈降を行い、共沈降してきたRev7結合蛋白をマススペクトロメトリー法を用いて同定する。これにより、マウス生殖細胞でRev7がどのような役割を担っているのか解明する。
研究費の主な用途は消耗品とマウスの飼育費用である。消耗品として、抗体購入費:20万円、DNAポリメラーゼ:5万円、生化学的試薬:30万円、マススペクトロメトリー用試薬:20万円、病理標本作製、免疫染色試薬:10万円、ガラス、プラスチック消耗品10万円、その他として、マウスの飼育費用:35万円、論文投稿費など:20万円、を見込んでいる。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (4件)
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