精子幹細胞は自己複製を繰り返しながら個体の生涯にわたり精子形成を維持する。またこの細胞は移植により精子幹細胞ニッシェにホーミングすることで不妊マウスへの精子形成誘導も可能である。これまでの研究で、精子幹細胞のニッシェへの生着にはRac1による密着結合分子CLDN3の発現制御が必要であることを示した。本実験ではCLDN3の発現制御に関与する可能性がある細胞極性制御分子aPKCが精子幹細胞ホーミングに関与するかを検証した。結果、aPKC遺伝子欠損精子幹細胞、活性型aPKC、およびドミナントネガティブ型aPKCを過剰発現させた精子幹細胞にホーミング異常は認められない、という予想外の結果を得た。
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