研究課題/領域番号 |
24590484
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山本 哲郎 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (60112405)
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研究分担者 |
千場 梅子 熊本大学, その他の研究科, 助教 (50109691)
西浦 弘志 熊本大学, その他の研究科, 助教 (90284760)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | リボソームタンパク質S19 / リボソーム外機能 / ノック・イン・マウス / 血栓吸収 / 細胞性線溶 / マクロファージ |
研究概要 |
本研究は、リボソームタンパク質S19(RP S19)の機能の内、リボソームにおける機能は維持しながら、リボソーム外機能が特異的に障害されているGln137Glu-RP S19ノック・イン・マウスを用いて、RP S19架橋化多量体の単球/マクロファージ動員能と動員細胞による細胞性線溶機構の、凝血塊や血栓の吸収における重要性を明らかにすることを目的としたものである。平成24年度の研究では以下のことが明らかとなった。 1.リボソームタンパク質S19(RP S19)の機能の内、リボソームにおける機能は維持しながら、リボソーム外機能が特異的に障害されているGln137Glu-RP S19ノック・イン・マウスを作成し、実験に供する個体数を維持できるようになった。 2.in vitroの実験では、末梢血を採取し凝血させて血清を調製し、ヒト末梢血単球に対する走化活性をマイクロチャンバー法で測定する系を用いて、野生型マウス血清が持つ強い単球走化活性が、ノック・イン・マウスの血清には見られないことを明らかにできた。 3.in vivoの実験は以下のように行った。両マウスの末梢血0.2 mlを、片方をパラフィルムでシールした細管に流し込んで凝血塊を調製した。その際、野生型マウス由来の血液にはあらかじめ蛍光標識タンパク質を微量混じておくことで標識した。野生型マウスを麻酔下に開腹して両凝血塊を腹腔中に挿入し、縫合閉腹した。3日目にマウスを安楽死させた後に腹腔内から両凝血塊を回収し、重量測定を行った後に、蛍光強度の測定を行い、吸収の速度を比較した。その結果、ノック・イン・マウス由来の凝血塊では吸収が有意に遅れることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24年度の研究計画に沿って、Gln137Glu-RP S19遺伝子ノックインマウスを調べていたところ、このマウスは高齢になると大量の自己抗体を産生し始めるという予想外の興味深い表現型を見いだした。その一方で、当該研究はその影響が無い比較的若年のマウスを使って行う必要が出てきたが、それは飼育期間が減るという利点も生む。もともとこの研究の速度は、マウスの繁殖速度と必要な飼育期間が規定する。幸いに、繁殖効率が予想以上に良かったため、繁殖・飼育ケージを増やせば、研究速度を上げて効率よく実験を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、敗血症性播種性血管内血液凝固症候群におけるRP S19架橋化多量体の単球/マクロファージ動員能と動員細胞による細胞性線溶機構の病態軽減上の役割を明らかにすることを目的とし、同症候群のマウス用疾患モデルである全身性シュワルツマン反応をノック・イン・マウス並びに野生型マウスに起こさせ、病変の強度を病理学的に比較する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に行った実験的研究結果を整理し、学会並びに国際学術誌に公表する。
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