miR-210過剰発現が腎癌の発生・進行に関わる可能性を検討することを目的とし、① miR-210標的遺伝子の特定、② miR-210過剰発現が腎癌発症を引き起こすか否か(トランスジェニックマウスの樹立と病理学的解析)の2点を検討した。 ① 培養細胞とmiR-210-Tgマウスを用いた網羅的発現解析より、細胞分裂異常を引き起こす標的遺伝子Aを見出した。 ② miR-210-Tgマウスを96週齢まで観察した。腎癌の発症は認められなかったが、若年より慢性的な炎症が観察され、加齢に伴って腎機能が低下した。本研究で、miR-210過剰発現が腎癌発生母地である尿細管上皮に障害を与えることを明らかにした。
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