抑制性IgG Fc受容体(FcγRII)はB細胞および種々の免疫細胞上に発現し、その機能を負に制御する重要な免疫調節分子である。本研究では、FcγRII発現欠損による免疫系の異常亢進が自己免疫疾患を誘発するかを解析した。その結果、FcγRII発現欠損のみでは自己免疫疾患は発症せず、FcγRIIコード遺伝子Fcgr2bに近接して存在するSle16 領域にコードされる自己免疫型SLAM family遺伝子の多型との相補作用でヒト関節リウマチ(RA)に近似した全身の多発関節炎を自然発症する可能性を見出した。本研究成果は、ヒトRAの疾患感受性遺伝子解析に重要な情報を提供するものである。
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