研究課題
ネズミマラリア原虫のDNA Polymerase deltaの校正機能に必須なアミノ酸2箇所をアラニンに置換した変異遺伝子断片を作成し、これを野生型マラリア原虫に導入することで当該遺伝子を変異型に置換した。得た組み換え原虫をマウスへ継代感染を繰り返した結果、通常よりも80倍以上もの高い変異率を有することを明らかにした(DNA Research, 2014)。さらに、このミューテーターマラリア原虫から各種抗マラリア薬(sulfadiazine, piperaquine, lumefantrine)に対して耐性を獲得した原虫を単離することに成功した。これらの結果は、本研究課題で作成したミューテーターマラリア原虫がマラリアの薬剤耐性機構の解明にとって画期的な研究ツールであることを証明したことを示す。さらに、ミューテーターマラリア原虫における突然変異の特徴、具体的には染色体上の変異のホットスポット、特定の塩基配列への変異発生率などの詳細を調べ、その結果をまとめて論文投稿中である。以上のことから、本研究課題は当初の目的を達成したと結論した。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)
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