タイ肝吸虫感染による胆管癌の新たな腫瘍マーカーの検索を行った。候補腫瘍マーカーの解析から、MFGE8およびS100Pを絞り込んだ。動物モデルの発癌過程に伴う発現の早期上昇、胆管癌細胞に局在した高い発現、癌患者の血清・胆汁の高い濃度などから、MFGE8およびS100Pは組織・血液検査による診断に応用ができる。また、高い発現は腫瘍の悪性度及び転移、患者の低生存率と相関してあり、独立予後因子として認められた。さらに、発現のノックダウンは、胆管癌細胞の増殖を抑制、抗癌剤に対する感受性を増強した。MFGE8およびS100Pは胆管癌の診断、予後及び治療標的の新規バイオマーカー候補を確定した。
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