本申請研究では熱帯熱マラリア原虫独自の新規転写因子候補PREBPが原虫細胞内で転写活性化能を持ち、実際にPREBPが染色体上の転写制御領域に結合する事を証明した。さらにPREBPが制御する遺伝子の網羅的探索をおこない、複数の候補遺伝子を見出した。またPREBPタンパクのPREBPの4つのKHドメインのうち、最もN末側のもの付近に重要な活性ドメインの存在が示唆された。PREBPの一過性過剰発現をおこなった結果、増殖速度の抑制、細胞周期の延長が観察され、転写バランスの変化による影響と考えられた。一連の結果はPREBPの原虫生理における重要性、また、分子作用機序の独自性を示唆している。
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