代表的なグラム陰性菌としてネズミチフス菌を用いて、菌のリポ多糖(LPS)のアシル基数減少変異株を作成した。野生株と変異株をマウスやヒト由来の培養細胞に感染させ、LPSのアシル基数を減少させるという構造変化を起こすことによって菌は宿主自然免疫応答から回避して感染性を増強できることを示した。サイトカイン産生活性を自然免疫応答の指標とすると変異株に対する活性低下はヒト細胞TLR4系による認識からの回避に起因するところが大きいが、貪食性を指標にすると活性低下はマウス細胞でもみられTLR4非依存的でもあり、幅広い宿主に対する普遍的な回避機構である可能性が示唆された。
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