細胞内で異物や危険分子を検知するとタンパク複合体インフラマソームを形成する。インフラマソームはタンパク分解酵素カスパーゼ1を活性化することでIL-1やIL-18などのサイトカイン産生や細胞死を誘導する。いくつかのインフラマソームはアダプター分子ASCを必要とし、我々はASCのリン酸化がインフラマソーム形成を亢進することを見出した。このリン酸化シグナルを介したインフラマソーム制御機構は細菌感染(リステリア菌や結核菌など)においても確認できた。興味深いことに、リステリア感染においてインフラマソームを介した炎症応答は宿主免疫に不利に働き、さらに病原因子がこの応答を促進していることがわかった。
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