研究課題/領域番号 |
24590526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
中山 治之 香川大学, 医学部, 助教 (80294669)
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研究分担者 |
桑原 知己 香川大学, 医学部, 教授 (60263810)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Bacteroides fragilis / 莢膜 / 相変異 / DNA逆位 |
研究概要 |
DNA inversionを起こす 7つの莢膜多糖生合成領域のpromoterに結合するDNA結合タンパク質をYeast One-Hybrid Systemを用いて探索するために条件検討を行った。まず、我々が既に明らかにしているB. fragilisのリン酸饑餓応答二成分制御システム(PhoB/PhoR)をパイロット試験の対象とした。Matchmaker One-Hybrid System (Clontech社) を用いてスクリーニングを行った結果、bait配列 (pho box配列)に結合するタンパク質としてPhoB制御因子を同定するには至らなかった。bait配列のコピー数が成否の鍵を握ると考えられたので、本試験のbait配列である各PS promoterのinverted repeatに挟まれた領域のリピート回数を1~3回にしたレポータープラスミドを構築した。 また、PS promoter inversionのmaster recombinaseであるMpiタンパク質と直接的に結合するタンパク質をYeast Two-Hybrid Systemを用いて探索するために条件検討を行った。前実験として新規に構築したtwo-hybridライブラリーからPhoBと相互作用するタンパク質をスクリーニングしたところ、候補としてPhoRを同定できた。本試験に用いるbaitクローンの作製として、pGBKT7にmpi遺伝子をクローニングしたpGBKT7-mpiを構築した。 さらに、Mpiタンパク質と直接的・間接的に結合するタンパク質をin vivo pull-downアッセイによって同定するために、B. fragilisゲノム上のmpi遺伝子の下流に3×FLAG配列を挿入することで3×FLAG融合Mpiを産生する組換え株 (B. fragilis mpi:: 3×FLAG)を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
B. fragilis においてYeast One-Hybrid Systemを用いたタンパク質-DNA相互作用の解析は全く行われておらずまさに手探りの状態であった。前実験として行ったPhoBの解析では、bait配列 (pho box配列)に結合する蛋白質としてPhoB制御因子を同定するには至らなかった。さらに、本試験のbait配列である各PS promoterのinverted repeatに挟まれた領域をクローニングする際、bait配列のリピート回数および内部のPS promoterの向きも考慮に入れたクローンの構築に時間が掛かった。 タンパク質-タンパク質相互作用解析ではB. fragilis においてYeast Two-Hybrid Systemが適用できることが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
Yeast One-Hybrid SystemおよびYeast Two-Hybrid Systemにおいては前実験によりライブラリー構築等は既に終了しているので、早急にPS promoterに結合する新規DNA結合タンパク質の同定およびMpiタンパク質と結合するタンパク質の同定を終了させる。また同時にB. fragilis mpi:: 3×FLAG を用いたin vivo pull-downアッセイによってMpiタンパク質と直接的・間接的に結合するタンパク質の同定も図りたい。 次年度の研究計画であるPS promoter結合タンパク質およびMpi結合タンパク質の機能解析についても計画内容通り遂行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度の研究計画が次年度にずれ込んでいるが、本年度の研究計画であるPS promoter結合性タンパク質およびMpi結合性タンパク質を同定するために必要なキット試薬、細菌・酵母培養用培地、PCR関連試薬、抗体関連試薬等は既に購入済みである。したがって、当初の計画通り次年度の研究計画であるPS promoter結合タンパク質およびMpi結合タンパク質の機能解析に必要な試薬類(PCR関連試薬、タンパク質解析関連試薬、抗体作製関連試薬)に重点的に使用する。
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