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2013 年度 実施状況報告書

バクテロイデスにおける莢膜多糖の多様性と相変異の生理学的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24590526
研究機関香川大学

研究代表者

中山 治之  香川大学, 医学部, 助教 (80294669)

研究分担者 桑原 知己  香川大学, 医学部, 教授 (60263810)
キーワードBacteroides fragilis / 莢膜 / 相変異 / DNA逆位
研究概要

前年度に引き続きB. fragilisにおけるDNA inversionを起こす 7つの莢膜多糖生合成領域のpromoterに結合するDNA結合タンパク質をYeast One-Hybrid Systemを用いて探索するために、B. fragilisのリン酸饑餓応答二成分制御システム(PhoB/PhoR)をパイロット試験の対象とし条件検討を行った。前年度の結果よりbait配列 (pho box配列)のコピー数が成否の鍵を握ると考えられたので、bait配列のリピート回数を3回にしたレポータープラスミドpAbAi-3PhoBoxを構築しMatchmaker One-Hybrid System を用いてスクリーニングを行った結果、bait配列 (pho box配列)に結合するタンパク質として窒素代謝制御に関わるNtrC制御因子が同定されたがPhoB制御因子を同定するには至らなかった。
またMpiタンパク質と直接的・間接的に結合するタンパク質をin vivo pull-downアッセイによって同定するために、B. fragilisゲノム上のmpi遺伝子の下流に3×FLAG配列を挿入することで3×FLAG融合Mpiを産生する組換え株 (B. fragilis mpi:: 3×FLAG)を用いてin vivo pull-downを行ったが、Mpiの発現量の低さからMpiに結合するタンパク質を同定するには至らなかった。そこでMpiと直接的・間接的に結合するタンパク質をin vitro pull-downアッセイによって同定を試みた。MpiをGST融合タンパク質としてE. coli BL21株で大量発現し得られた粗抽出液とB. fragilisの粗抽出液を混合しglutathione sepharose 4Bを用いてpull-downを行った結果、13個のMpi結合タンパク質が検出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前実験として行ったYeast One-Hybrid Systemを用いたPhoBの解析では、bait配列(pho box配列)のリピート回数を3回にしたにも関わらずbait配列に結合する蛋白質としてPhoB制御因子を同定するには至らなかった。本試験のbait配列である各PS promoterのinverted repeatに挟まれた領域のリピート回数を1~3回にしたレポータープラスミドは構築済みであるので早急にスクリーニングを推進したい。
Mpiタンパク質と直接的・間接的に結合するタンパク質をin vivo pull-downアッセイによって同定を試みたがMpiの発現量の低さからMpiに結合するタンパク質を同定するには至らなかったのでin vitro pull-down系によって同定を試みたところ13個のMpi結合タンパク質を確認できた。

今後の研究の推進方策

Yeast One-Hybrid Systemでは本試験のbait配列である各PS promoterのinverted repeatに挟まれた領域のリピート回数を1~3回にしたレポータープラスミドは構築済みであるので早急にスクリーニングを進めると同時に、場合によってはライブラリー構築の再検討も考慮に入れて早急にPS promoterに結合する新規DNA結合タンパク質の同定を進める。また、Yeast Two-Hybrid System およびin vitro pull-downアッセイによってMpiタンパク質と直接的・間接的に結合するタンパク質の同定も図る。
次年度の研究計画であるPS promoter結合タンパク質およびMpi結合タンパク質の機能解析および宿主環境中でのアクセサリー分子および莢膜多糖の発現プロファイリングについても計画内容通り遂行する。

次年度の研究費の使用計画

予定していた人件費・謝金の支出が不要になった。
次年度の研究計画であるPS promoter結合タンパク質およびMpi結合タンパク質の機能解析および宿主環境中でのアクセサリー分子および莢膜多糖の発現プロファイリングに必要な試薬類(PCR関連試薬、タンパク質解析関連試薬、抗体作製関連試薬および実験動物)および成果発表(含論文投稿)に重点的に使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Effect of Kampo medicine "Dai-kenchu-to" on microbiome in the intestine of the rats with fast stress.2013

    • 著者名/発表者名
      Yoshikawa K, Shimada M, Kuwahara T, Hirakawa H, Kurita N, Sato H, Utsunomiya T, Iwata T, Miyatani T, Higashijima J, Kashihara H, Takasu C, Matsumoto N, Nakayama-Imaohji H.
    • 雑誌名

      J Med Invest

      巻: 60 ページ: 221-227

    • 査読あり
  • [学会発表] Raoultella ornithinolyticaにおけるhistamine産生は酸素ストレス耐性に関与する2014

    • 著者名/発表者名
      今大路治之、大岡唯祐、後藤恭宏、成谷宏文、堀内功典、鈴木基生、岡崎勝一郎、林 哲也、桑原知己
    • 学会等名
      第87回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      20140326-20140328
  • [学会発表] 腸管内常在菌がClostridium difficileの病原性に与える影響2013

    • 著者名/発表者名
      今大路 治之、堀内功典、桑原 知己
    • 学会等名
      第83回日本感染症学会西日本地方会学術集会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      20131106-20131108
  • [学会発表] Raoultella ornithinolyticaにおけるhistamine産生と酸素ストレス耐性2013

    • 著者名/発表者名
      今大路治之、大岡唯介、成谷宏文、鈴木基生、岡崎勝一郎、林 哲也、桑原知巳
    • 学会等名
      第66回日本細菌学会中国・四国支部総会
    • 発表場所
      広島国際大学
    • 年月日
      20131012-20131013

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公開日: 2015-05-28  

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