研究課題/領域番号 |
24590529
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
中尾 浩史 琉球大学, 医学部, 教授 (20237217)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 腸炎ビブリオ / 鉄 / シデロフォア |
研究概要 |
腸炎ビブリオは日本において細菌性食中毒の主要な病原菌の一つである。生物にとって鉄は必須の元素であるが、環境中あるいは生体内において細菌が利用できる遊離鉄はごくわずかである。そのため、腸炎ビブリオは病原性を発揮するために優れた鉄獲得機構を持っていると考えら得れている。申請者は、腸炎ビブリオが鉄と特異的に結合するキレーターであるシデロフォア・ビブリオフェリンを体外に分泌し、鉄・ビブリオフェリン複合体をPvuAという受容体蛋白を介して取り込む系があることを見いだし、鉄制限に応じた発現制御が行われていることについて明らかにしてきた。 今年度は腸炎ビブリオのビブリオフェリン受容体pvuA遺伝子破壊株の作成を試みた。suicide vector (破壊株作成用ベクター) pKTN701にPCRクローニングによってpvuA遺伝子を組み込んだ。現在、遺伝子破壊株を作成しているところである。遺伝子破壊については、菌の生存に必要な遺伝子ほど破壊株を得にくい。pvuAに対する変異株が作成しにくいことから、pvuAが腸炎ビブリオにとって重要な遺伝子であることを確認した。現在、破壊株を得るために、さらに培養条件などの検討を行っていく予定である。破壊株が得られれば腸炎ビブリオにおける鉄獲得と病原性との関連がより明らかになる。 また、破壊株の作成と平行して、25年度に行う予定であったPvuA大量産生株をPCRクローニングによって得ている。挿入断片のシークエンスによる確認も終わっており、遺伝子誘導条件についての検討を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子破壊株については未だに取れてはいないが、そのことはpvuA遺伝子の重要性から困難なことは予め予想されていた。そのため、破壊株の作成については2カ年で行うように計画している。破壊株の作成に加えて、来年度の予定にしていた大量産生株の作成を終えている。現在、その誘導条件等の検討を行っており、25年度にはモノクローナル抗体の作成には入れる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に続き、ビブリオフェリン受容体およびその関連遺伝子の欠損株を作成し、腸炎ビブリオの病原性に対するシデロフォアを介した鉄獲得系の重要性についての検討を加える。 ビブリオフェリン受容体PvuAに対するモノクローナル抗体を作成し、そのエピトープ解析や抗原結合部位の構造を解析することによってワクチンや増殖阻害剤の開発を目的とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
PvuAの大量産生株よりPvuAの精製を行う。精製PvuAを用いて、抗PvuAモノクローナル抗体の作成を行う。また、PvuAの結晶化を試みる。 昨年度に引き続き、PvuA欠損株の作成を行う。PvuA欠損変異株が得られた場合、それに変異pvuA遺伝子を組み込み、PvuAの機能にどの領域が重要であるかについて検討を加える。
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