研究課題/領域番号 |
24590539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
辻 孝雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60171998)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 腸管出血性大腸菌 / 致死毒素(Stx1と2) / 経鼻投与ワクチン / ヒトモノクローナル抗体 / HUS治療薬 |
研究概要 |
腸管出血性大腸菌(EHEC)はHUSの原因となる2種類の毒素(Stx1と2)を産生する。しかしワクチン開発は成功していない。 我々は両毒素に対する経鼻投与ワクチン及び抗体治療薬の作成を試みてきた。その結果Stx2中和抗体を誘導するStx2B-Hisの作成と抗Stx2B-His抗体がStx1と2を交差性に中和すること(Vaccine,24:3591,2006、26:469,2008、26:2092.2008)、経口投与治療薬の可能性のあるStx1と2を交差性中和するニワトリIgYの作成(PLos One,刷中,2011)、静注用抗Stx1ヒトモノクローナル抗体(MAb)(Vaccin,29:5340,2011)の分離に成功した。そこで今回、Stx1と2を交差性に中和するヒトまたはマウスStxB MAbを分離し、HUS治療薬としての臨床応用を目的とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、腸管出血性大腸菌(EHEC)への治療薬の開発を行い、HUSによる小児死亡を減少させることを目的としている。そこで以下の4項目の研究計画を遂行する。 ①Stx1,2の交差性中和抗体を産生するStxB誘導体の作成と交差中和抗体の解析。これは既に終了している。②自己免疫疾患マウスを用いStx1,2を交差性に中和する抗Stx2B MAbの分離行う。現在2個のクローンの分離に成功して性状の解析を実施している。 ③抗体工学によりマウスMAbをマウス/ヒトキメラ及びヒト型抗体へ変換は現在計画中にある。④Phage display法によりStx1,2を交差性に中和するヒト抗Stx2B MAbの分離を試みている。尚、③と④は本学総合医科学研究所の黒澤教授との共同実験で行う。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、EHECへの治療薬の開発を行い、HUSによる小児死亡を減少させることを目的としている。そこで以下の4項目の研究計画を遂行する。既に、Stx1,2の交差性中和抗体を産生するStxB誘導体の作成と交差中和抗体の作成に成功している。さらに、自己免疫疾患マウスを用いStx1,2を交差性に中和する抗Stx2B MAbの分離行い、現在2個のクローンの分離に成功して性状の解析を実施している。 そこで、今後以下の2項目に関して実施計画を立てている。 ①抗体工学によりマウスMAbをマウス/ヒトキメラ及びヒト型抗体へ変換を実施したい。②Phage display法によりStx1,2を交差性に中和するヒト抗Stx2B MAbの分離を試みる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
1. さらにStx1,2両毒素を同時中和するMAbの分離をこころみるため、Stx2B-誘導体誘導体で自己免疫疾患マウス(BXSB)の経鼻投与を行い、脾臓を摘出して、マウスP3u-1細胞とポリエチレングリコールを用いて細胞融合を行う。HAT培地、HT培地で、融合細胞を選択する。毒素を交差性に中和しているかHela 229細胞を用いて検討する。 必要経費は約80万円 2.マウスMAbをマウス/ヒトキメラ及びヒト型化抗体に変換:マウスMAbのマウス/ヒトキメラ及びヒト型化抗体への変換は、本学総合医科学研究所の黒澤教授との共同実験で行う。 必要経費 約20円。 3. Phage display法による抗Stx1,2,交差性中和MAbの分離;本学総合医科学研究所の黒澤教授のライブラリーを用いて行う。 必要経費は約20万円
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