ガス壊疽の原因毒素であるウエルシュ菌α毒素の受容体探索を行った。その結果、(1) 本毒素のNドメインとCドメインの間に存在するループ領域のTrp-84とTyr-85がガングリオシドGM1aの糖鎖部位と相互作用していることが示唆された。さらに、α毒素は、GM1aに結合後、GM1aのクラスター化、およびチロシンキナーゼ関連受容体(TrkA)の活性化を惹起していることが明らかとなった。(2) α毒素は、TrkAのアダプタータンパク質のホスホリーパーゼCγ-1を特異的に活性化していた。(3) 毒素処理細胞膜内で生成亢進したジアシルグリセロールのフリップ-フロップがGM1aとTrkAの集積を導いた。
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